クリスマスやバレンタイン、誕生日や記念日などの特別な日に、手づくりのチョコレートケーキ。
市販品には賞味期限が書いてありますが、手づくりの場合は日持ちがわからないという人も多いのではないでしょうか。
自分や家族が食べるにしても、プレゼントとして用意するにしても、安心して美味しく食べられる期間は気になるところです。
そこで今回は、手づくりチョコレートケーキの日持ちと冷凍保存のコツについてご紹介します。
これから手づくりしようと考えている人や日持ちが気になる人はぜひご一読を。
手づくりチョコレートケーキの日持ち
手づくりの良さと日持ち
手づくりのお菓子には、人工的な保存料が入っていません。
添加物を入れずに作れて安心なのが手づくりの良さですが、その分劣化が早く進んでしまいます。
また、家庭のキッチンでお菓子を作るときは、工場やお店のような徹底した衛生環境の中で、専用の手袋や作業服、制帽を着用しているわけではありません。
除菌や殺菌をすることなく、素手で材料や道具に触れることもよくあることです。
そのため、基本的には市販品の日持ちより短めに考えておくほうが良いでしょう。
ケーキの種類や使う材料によって日持ちは変わる
手づくりのチョコケーキといっても、いろんな種類があります。
デコレーションケーキやチョコスポンジ、ガトーショコラにパウンドケーキなど使っている材料もさまざまです。
手づくりの場合、ケーキの種類や使う材料によって日持ちが変わってきます。
日持ちしにくいタイプと日持ちしやすいタイプに分け、それぞれの保存方法や日持ちする期間を調べました。
手づくりチョコレートケーキで日持ちしにくいもの
手づくりのチョコケーキで日持ちしにくいものの特徴は、水分を多く含んでいることです。
次のような材料を使っていると、日持ちしにくくなります。
【ケーキが日持ちしにくくなる材料】
- 生クリーム
- 生のフルーツ
- 牛乳
- 卵
水分の多い生クリームは、鮮度が命です。
デコレーションに使うほか、生チョコケーキの生地に入れることもあります。
また、スポンジケーキの間にサンドしたり、トッピングで使う生のフルーツも水分がたっぷりです。
牛乳や卵を多く使ったチョコケーキも日持ちしにくくなります。
では、種類別に保存方法と日持ちを見ていきましょう。
※一般的に常温は15~25℃までとされています(日本工業規格、食品衛生法より)。
チョコレートスポンジケーキ
保存方法 | ラップで空気が入らないよう包み、ジッパー付保存袋やタッパーに入れる。乾燥を防ぎたい場合は、表面にうっすらシロップを塗る。 | |
おいしい食べごろ | 当日に食べきるのがベスト!3日目以降はケーキ自体の味が落ちてしまう。 | |
日持ちの目安 | 常温 | 2~3日(夏場や梅雨時期などは1~2日) |
冷蔵 | 4~5日 | |
冷凍 | 3週間程度 |
スポンジケーキはケーキ作りの基本生地で、デコレーションケーキの土台にもよく使われます。
デコレーションするなら前日に焼いておき、1日たってからデコレーションするのがおすすめです。
作って翌日のほうが味も落ち着き、生地がしっとりして美味しくいただけます。
チョコレートシフォンケーキ
保存方法 | ラップで空気が入らないよう包み、ジッパー付保存袋やタッパーに入れる。 | |
おいしい食べごろ | 作りたてより、生地がしっとりする翌日がより美味しくなる。 | |
日持ちの目安 | 常温 | 2~3日(夏場や梅雨時期などは1~2日) |
冷蔵 | 4~5日 | |
冷凍 | 3週間程度 |
シフォンケーキを冷蔵庫で保存する場合は、お菓子保存に適している温度の野菜室がおすすめです。
生チョコケーキ
保存方法 | ラップで空気が入らないよう包み、ジッパー付保存袋やタッパーに入れる。 | |
おいしい食べごろ | 生クリームが入っているため、当日中が美味しくいただける。 | |
日持ちの目安 | 常温 | 不向き |
冷蔵 | 1~3日 | |
冷凍 | 3週間程度 |
生チョコケーキには、通常よりチョコレートが多く使われていることも多いです。
そのため、冷蔵庫内の温度やチョコレートの状態によってブルーム現象(脂肪分や糖分が溶け出し、表面で白く固まってしまうこと)が起きてしまうこともあります。
油分は高温(28℃以上)で溶け出すため、できるだけ冷蔵・冷凍保存がおすすめです。
手づくりチョコレートケーキで日持ちしやすいもの
手づくりチョコケーキの中でも、比較的日持ちしやすいものの特徴は次の通りです。
【日持ちしやすいチョコケーキの特徴】
- 水分量が少ない
- しっかりと火を通したもの
- 味の濃いもの(糖分が多いなど)
- アルコールが含まれている(お酒を使った風味づけなど)
- 油分が多いもの(バターやチョコたっぷり)
水分を蒸発させた、いわゆる“焼き菓子”といわれるものは日持ちしやすいといえます。
また、防カビ効果があるとされるはちみつを生地に入れるのも、日持ちを長くする方法の一つです。
では、種類別に保存方法と日持ちを見ていきましょう。
※一般的に常温は15~25℃までとされています(日本工業規格、食品衛生法より)。
ガトーショコラ
保存方法 | 焼きたての場合は、粗熱をしっかり取る。冷ましてからラップで空気が入らないよう包み、ジッパー付保存袋やタッパーに入れる。 | |
おいしい食べごろ | 作って1~2日寝かせることで余分な水分が抜け、ずっしりとした濃厚な食感になる。日がたつとパサつきはじめ、味や食感が落ちる。 | |
日持ちの目安 | 常温 | 不向き |
冷蔵 | 4~5日 | |
冷凍 | 1ヵ月程度 |
ガトーショコラは材料を混ぜて焼くだけ、簡単に作れるお菓子として人気があります。
甘いしゅわっとした食感が特徴ですが、常温で置いておくと乾燥して表面が割れやすくなるため、できるだけ冷蔵・冷凍保存がおすすめです。
チョコカップケーキ
保存方法 | 1つずつラップで空気が入らないよう包み、ジッパー付保存袋やタッパーに入れる。生クリームやフルーツをトッピングしている場合は、冷凍なら取り除いて別々に保存、冷凍なら深さのある容器に入れる。 | |
おいしい食べごろ | 焼きたてのサクサク感を味わうなら当日、しっとり食感が好みなら翌日がおすすめ。 | |
日持ちの目安 | 常温 | 3~4日(夏場や梅雨時期などは1~2日、できれば冷蔵保存) |
冷蔵 | 4~5日 | |
冷凍 | 1ヵ月程度 |
チョコレートを多く使っているカップケーキでも、デコレーションやトッピングに生クリームや生のフルーツを使っている場合、日持ちは短くなります。
日持ちさせたい場合は、生クリームではなくバタークリームでデコレーションすると良いでしょう。
チョコパウンドケーキ
保存方法 | 1切れずつラップで空気が入らないよう包み、ジッパー付保存袋やタッパーに入れる。 | |
おいしい食べごろ | 作ってから3日以降だと味がなじんで食べごろ。 | |
日持ちの目安 | 常温 | 1週間(リンゴやバナナを使っている場合は5日程度) |
冷蔵 | 1~2週間 | |
冷凍 | 1ヵ月程度 |
日持ちしやすいチョコパウンドですが、甘さ控えめに仕上げようと砂糖やバターを少なく調整した場合、日持ちは短くなります。
ブランデーやウイスキーなどにつけたレーズンを生地に入れる、風味づけとしてリキュールを使うなどは、日持ちを長くするおすすめの方法です。
手づくりチョコレートケーキ冷凍保存のコツ
ここまで種類別に保存方法と日持ちを見てきましたが、見てわかるようにほとんどのケーキが冷凍保存可能です。
通販などでお取り寄せするケーキが冷凍便で届くこともよくあります。
洋菓子メーカーなどが販売している冷凍ケーキは、業務用冷凍庫で急速に凍らせているので、美味しさはそのままキープ。
一般の家庭用冷蔵庫での冷凍は、完全に凍るまでどうしても時間がかかってしまうため、味や食感が落ちてしまうのです。
そこで、手づくりのチョコケーキを少しでも美味しく食べるための冷凍保存のコツをご紹介します。
【チョコケーキを冷凍保存するコツ】
焼きたての場合
- 粗熱をしっかり取る
- 1切れずつ、空気が入らないようにラップで包む
- 冷凍用保存袋またはタッパーなど密閉容器に入れて冷凍
生クリームや生のフルーツを使っている場合
- 生クリームを取り除く
- トッピングや間に挟まれている生のフルーツを取り除き、生クリームをふきとる
- 生クリーム、フルーツ、ケーキを分けて、別々にラップでぴっちりと包む
- 冷凍用保存袋またはタッパーなど密閉容器に入れて冷凍
デコレーションやトッピングをしている場合
- 深さのある容器を逆さにして、ふたの上にケーキをのせる
- 形が崩れないよう、容器をかぶせてから冷凍
特に、ラップや容器で密閉できているかは重要なポイントです。
密閉できていないと、乾燥して食感がボソボソになる、庫内のにおいをケーキが吸収してしまうなど美味しさが半減してしまう可能性も…
冷凍保存でケーキをラッピングする際には、しっかり密閉するように注意しましょう。
冷凍保存したチョコケーキのおいしい解凍方法
できるだけ美味しいまま冷凍しても、解凍する方法を間違ってしまうと、せっかくの手づくりケーキが台無しです。
基本的には、冷蔵庫でゆっくり時間をかけた解凍がベスト。
また、一度解凍したチョコケーキは再冷凍せず、その日のうちに食べきるようにしましょう。
ガトーショコラやパウンドケーキなどの焼き菓子は、温めたほうが美味しく、電子レンジやトースターで解凍してしまいがちです。
焼き菓子は水分が飛んでしまうと食感がパサついてしまい、美味しくありません。
一度冷蔵庫で解凍し、常温に戻してからケーキを温めることで、焼きたてのような食感が楽しめます。