カレーやシチュー、スープなどの煮込み料理に1枚使うと、肉や魚の臭み消しや風味づけといった効果で本格的な味わいに仕上げてくれるローリエ。
うっかり切らしてしまった時やレシピに書いてあるけど常備していない場合も多いのではないでしょうか。
今回はローリエの効果や使い方をはじめ、ローリエがない場合の代用品について調査してみました。
ローリエがない場合の代用品をどこで買うのか、スーパーで買えるネギなどでも代用品になるのかどうかが気になっている人もぜひ参考にしてみてください。
ローリエとは
ミネストローネスープやポトフ、カレーやシチューなどの煮込み料理に欠かせないローリエ。
日本では「月桂樹の葉」として知られ、古代ローマのオリンピックで勝者に贈られた葉の冠にも使われていたことで有名です。
さっぱりとした甘さを感じるスパイシーな香りが特徴で、パウダー状と葉の形の2種類が販売されています。
ローリエの効果
ローリエは肉や魚の臭みを消してくれる大切な存在です。
1枚加えるだけで料理に上品な香りをプラスし、風味良く仕上げてくれます。
ローリエの香り成分には、シオネール・ゲラニオール・リナオール・オイゲノールなどが含まれており、それらには食欲増進や消化を促す働きがあるとのこと。
ローリエを使うと料理がおいしくなる上に、健康にも効果があるとは驚きですね。
ローリエの使い方
ローリエの使い方はとても簡単です。
煮込み料理の場合、他の材料を煮込みはじめる時に1枚入れて一緒に煮込むだけ。
乾燥したドライタイプの葉は、パキッと折って火を入れると香りがよく出ます。
そのまま食べると消化器官に炎症を起こしてしまうことがあるため、スープやポトフなどの場合は、材料が煮えたらローリエを取り出すようにしましょう。
パウダー状になっているローリエは、肉や魚にすりこんで臭みを消すという使い方もできます。
そのまま料理できるので便利ですが、香りが高くなりやすいため、使用量には注意しましょう。
煮込み料理の他にも、マリネ液やピクルス液の中に入れて1時間ほど浸けておくという使い方もよく知られています。
オリーブオイルに漬けこんで、ハーブオイルとして使うのもおすすめです。
ローリエとベイリーフは別物
ローリエとよく似た香辛料で「ベイリーフ」というものがあります。
同じだと解説されていることも多いですが、それぞれの特徴と見分け方をみるとまったくの別物であることがわかります。
特徴と見分け方 | 分類 | 呼び名 | 使われ方 | 見分け方 |
ローリエ | クスノキ科ゲッケイジュ属 | ローリエ、ローレル、月桂樹 | ヨーロッパでよく使われている | 葉脈が横 |
ベイリーフ | クスノキ科ニッケイ属 | インディアンリーフ、カシアリーフ、シナモンリーフ | インド料理でよく使われる | 葉脈が縦 |
風味や使う料理のちがいから、ベイリーフをローレルの代用として使うことはあまりおすすめできません。
ローレルはベイリーフの代用として使っても問題がないため、今後料理をする際の参考として覚えておくと良いでしょう。
ローリエの代用品【ハーブ・スパイス】
ローリエは使い勝手の良い香辛料ですが、使うことで味が変わるわけではないので、絶対にないといけないものではありません。
家庭に常備されていない場合や気づいたらストックがなかったという時などには、他のハーブやスパイスを代用品として使うことができます。
①ローズマリー
シソ科のハーブであるローズマリーは、強く爽やかな香りでローリエと同じような役割をもっています。
優れた消臭・抗菌作用に加え、酸化防止作用があるため、肉の鮮度を長持ちさせる効果も。
ローズマリーはクセの強いラム肉などの臭み消しにもよく使われており、カレーやポトフなどの肉料理との相性は抜群です。
香りが強く、火を通しすぎたり、量が多すぎたりするとえぐみが出てきてしまうので気をつけましょう。
②タイム
ハーブの中でも1番だと言われるほどの強力な殺菌・抗菌作用をもつタイムは、気品のあるすがすがしい香りが特徴です。
お茶として利用されるほか、肉の臭み消しとしても使われているため、ローリエの代用品として使うことができます。
ローリエにくらべて風味が強く出やすいため、使用量には注意が必要です。
タイムはムニエルやスープによく使われており、長時間煮込んでも香りが飛ばないので、煮込み料理にも向いています。
③コリアンダー
独特な香りをもつコリアンダーの葉や茎、果実は、古くから野菜・ハーブ・香辛料として世界各国で使われています。
コリアンダーは「香菜(シャンツァイ)」や「パクチー」とも呼ばれており、ピクルスやカレー、シチューなどの料理でローリエの代用が可能です。
日本では、一般的に種子(コリアンダー・シード)や乾燥させた葉やそれを粉末状にしたスパイスをコリアンダー、薬味や葉野菜として使う場合にはパクチーとして使い分けています。
完熟した種は、生の葉とはちがい、とてもマイルドな香りなのでピクルスやマリネなどの香りづけに種の形のまま使われることも多いです。
④バジル
イタリア料理には欠かせないバジルには、ローリエと同じ香り成分であるシオネールが含まれているので代用品としても使うことができます。
ローリエよりも香りが強く、煮込み料理に使うと他の食材の風味がバジルに負けてしまうことがあるため、加熱しない料理(マリネやピクルスなど生に近い状態で食べる料理)での代用をおすすめします。
⑤ナツメグ
ナツメグは、ひき肉料理でよく登場するスパイスです。
肉やバター、生クリームなどの動物系の臭みを消し、風味とのバランスを整えてくれます。
臭みを消すという役割ではローリエの代用品としても使えますが、魚料理との相性があまり良くないため、肉料理での代用に限るほうがいいでしょう。
⑥ディル
葉や茎にすっきりと爽やかな香りをもつディルは、ヨーロッパで古くから使われている人気のハーブです。
魚料理との相性が良く、カルパッチョからグリルまで、臭み消しとしてローレルの代用に使うことができます。
胃腸の働きを助け、消化促進の効果がある点でもローレルと共通しています。
⑦パセリ
さっぱりとした香りで肉や魚との相性も良いパセリは、刻んでティーバックに入れて使うと、ローリエと同じように臭み消しや殺菌効果が期待できます。
ただし、ローリエと同じ成分はほとんど含まれていないため、同様の風味や味わいを出すことは難しいでしょう。
主張控えめなハーブなので、刻んでマヨネーズやドレッシングに入れるなどローリエ以上に幅広く使えます。
肉や魚の臭みは消したいけど、強い香りが苦手という人にはおすすめです。
ローリエの代用品【スーパーで買えるもの】
ローリエもハーブもない!という時には、コンビニやスーパーで買える代用品を使うこともできます。
ハーブやスパイスを常備していない場合にも参考にしてみてください。
①日本酒・赤ワイン
お酒のアルコール成分には、肉や魚の臭みを消してくれる効果があります。
スパイスやハーブはないけど、お酒は常備しているという家庭におすすめの代用品です。
食材にお酒をふり、揉みこむようになじませて5~10分程度置くだけで、ローリエの代わりになります。
日本酒なら、味つけを邪魔しない食塩ゼロの「料理清酒」を選ぶといいでしょう。
赤ワインの酸味には肉の水分を逃さない働きがあり、肉の旨みや水分を閉じ込め、ふっくらと仕上げる効果があります。
②牛乳・ヨーグルト
牛乳やヨーグルトには、肉の臭みを吸着する働きや肉を柔らかくする働きがあります。
ニンニクやレバーにも使えるほど臭みを消す能力が高く、スーパーやコンビニでも手に入りやすいので、ローリエがない時の代用品としておすすめです。
牛乳なら半日~一晩(薄切り肉の場合は半日前後)、ヨーグルトなら肉を常温に戻してから1時間程度、肉を漬けこんでおくだけでいいという簡単さも助かりますね。
料理する際には、水洗いして水分をふき取ってから調理するようにしましょう。
③おろし玉ネギ
玉ネギにはプロテアーゼという酵素があり、肉の臭みを消し、タンパク質を分解して肉を柔らかくする効果があります。
パイナップルやキウイにもある酵素で、胃もたれにも効果があるので肉食の傾向にある人におすすめのローリエ代用品です。
酵素が浸透しやすいよう肉全体をフォークで刺し、おろし玉ネギにつけておきましょう。
ステーキやソテー料理がおいしく仕上がります。
④ネギの青い部分
普段は捨ててしまっているであろうネギの青い部分も、ローリエがない時の代用品として使うことができます。
青い部分にはカロテンやビタミンC、カルシウムやカリウムといったミネラルが豊富に含まれており、捨てるのは栄養面からみてももったいないです。
青い部分は白い部分にくらべると、ネギの香りが強くて硬いため、長く煮ても溶けきってしまうこともなく、臭み消しには最適だといえるでしょう。
大きくカットして、冷凍保存しておくとローリエがない時に代用品として活躍してくれるはずです。
⑤にんにく・生姜
言わずと知れた臭み消し、風味づけの食材です。
ローリエのようなさっぱりとした甘さの香りではありませんが、しっかりと肉や魚の臭みは消してくれるので、代用品としては問題なく使うことができます。
スーパーやコンビニでも簡単に手に入りますが、日本では常備している家庭も多いでしょう。
和洋折衷、料理のジャンルも問わないので幅広く使えておすすめです。
⑥重曹
洗濯や掃除に使われることが多い重曹も、実はローリエの代用品として使うことが可能です。
重曹には消臭効果だけではなく、肉のタンパク質を分解し柔らかくする働きもあります。
水250㏄に小さじ1杯の重曹を入れ、肉を30分~1時間程度浸けておき、キッチンペーパーなどで水分をふき取ってから調理しましょう。
ローリエがない場合の代用品を選ぶポイント
同じハーブやスパイスで違う種類を代わりに使ったり、それ以外のスーパーなどで手に入りやすい代用品についていろいろと紹介してきました。
このように、ローリエがない場合に代用品となるものを選ぶ際のポイントは「独特の香りを持っていて、臭み消しの効果があるもの」です。
情報を参考にしながら、おいしい料理を作っていきましょう。